2012.05.16 Wednesday
太田三郎展 その2
第二会場の展覧会。京都市内の北、上賀茂神社近くの町屋での展覧会。立派な茶室もある。
古い座敷にミルクをこぼした、と見えるインスタレーション。こぼしたミルクは、ピアノの教則本「バイエル」を細かく切ったもの。音符のオタマジャクシは、男性の精子を表象しているとか。この話は、初めて聞きました。
子供のためのバイエルを練習しながら精子を連想するのもちょと変ですね。
幸運にも、親しく作家:太田三郎氏と歓談することができました。
和室を飾っている白いテープには、全部emailアドレスが印字されていました。太田さんの作品には意味が隠されていると、「意味探し」をしました。
私が考えて意味はこう。
emailは。太田さんの友人のアドレスで、それを輪にしたもの。友達が友達を作って、つないていく。Facebookを連想しました。
残念ながら、私の意味は違っていました。
このアドレスは、ここ一年の迷惑MAILの集積とのこと。それらを印字して、輪にしたもの。「nonymous」(匿名)の集積です。迷惑MAILのアドレスは、女性の名前になっているものが多いとか。集めてみて分ったと、太田さんの談。
全てのemailアドレスが細字で印字され、別冊のファイルに綴じられていました。無関係な人間が送ってくるMAILの世界。静かな作品ながら、色々なことを語っています。その意味を探すのが面白い、太田三郎展でした。